野菜栽培Q&A 葉茎菜類 すべて開くQ1 にらの植え替えは何年くらいが良いのですか。にら栽培農家の場合、幅広い葉で商品価値が決まるので3~4年収穫したら、新しい株に更新します。自家用の場合は株が混み、葉が細くなったら年限に関係なく新しい苗を準備して株の更新をしたほうが美味しいにらを楽しめます。 余談ですが、毎年、夏にトウが立って花が咲きますが、若い蕾の時に収穫(花にら)して食べると普通のニラとは一味違った味を楽しめます。 Q2 タマネギを毎年貯蔵して使用していますが、芽がでたり、腐ったりします。適切な貯蔵方法を教えてください。長く貯蔵するためには次のような条件が必要です。 貯蔵可能期間は内部に蓄積された「糖分」の量により変わります。貯蔵中の呼吸により糖分が一定量を下回ると萌芽が始まります。また。糖分を多く蓄積したタマネギは病害抵抗性も多くなるといわれます。 貯蔵性の優れた品種を選ぶ。栽培面積が最も多い「北もみじ2000」は貯蔵性は優れますが、最近人気の「札幌黄」はやや劣ります。 適正な肥培管理で栽培された肥料をやり過ぎると球内部の糖分が窒素と結びつくことで消費され、病気になりやすい、ぶかぶかの玉になりやすく、貯蔵の効かない玉となります。 適正な病害虫防除。 腐敗の始まった玉はすぐに芽が伸び始めます。芯葉の周辺から中心に腐敗する芯腐れ、肌腐れの場合は栽培時に侵入した病害と思われます。また、スリップスの吸汁跡から病原菌が侵入して腐敗する場合がありますので栽培中は殺菌剤に加えて殺虫剤での定期的な防除が必要です。 適正な収穫時期、収穫後の乾燥状況。倒伏後1週間程度の間をおいて晴天の日をみて抜き取り収穫します。その後、葉を残したまま乾燥させると、玉内部の水分がスムーズに排出され貯蔵に適した状態になります。 Q3 長ネギを土寄せしないで白ネギにする方法はありませんか。簡易軟白方法があります。黒色の光を透さないフィルムで長ネギを挟む方法です。 やり方は、収穫30日前、草丈70cm程度に伸び、茎径1cm以上になった頃に杭を立て、葉の分岐点の高さまで、両側からフィルムで挟み込みます。ネギと密着するようにU字の針金で挟み、洗濯はさみで補強します。 Q4 「寒締めほうれんそう」とはどんなものか教えてください。ほうれんそうは凍るほどの低温に遭うと細胞を凍結から守るために糖分を蓄積します。この性質を利用してハウス内で9月中~下旬に播種し、十分生育させ、12月上~中旬から寒気に終日開放し、12月下旬頃から収穫する方法です。日平均気温が-4℃を下回る極寒期に終日開放して日平均気温を2℃以下にすると糖度12以上の「高糖度寒締めほうれんそう」になります。 Q5 無臭ニンニクって何ですか。ジャンボニンニクとも呼ばれているものです。大きさが従来のニンニクに比べ6~8倍と非常に大きく、臭いが14分の1(同比)程度と非常に少ないのが特徴です。 ネギ属に属する植物ですが、ニンニクとは別の種で、リーキと同じ種の別変種です。平らな葉はリーキによく似ていますが、ニンニクに似た鱗片からなる大きな鱗茎を作ります。従来のニンニクと栄養価はほぼ同等であるといわれています。 Q6 カリフラワーの花蕾が黄色くなるのはどうしてでしょうか。雪のように真っ白な美しい花蕾はカリフラワーの魅力ですが、黄色くなる何よりの敵は「日光」です。そのため、花蕾が7~8cm程度になったら、外葉で包むようにして紐で結び、日光が当たって薄黄色くならことを防ぎます。いわば「お肌の日焼け対策」と同じことなのです。 Q7 小松菜とホウレンソウを同時に播種しましたが、小松菜は発芽が良く、ホウレンソウは発芽がバラバラになりました。何故でしょうか。 ホウレンソウの種子はかたい種皮に包まれており、種皮が割れて種子が水を吸収するまで時間がかかります。一方、小松菜の種子は種子そのものなので、すぐに水を吸って発芽します。 ホウレンソウの発芽を良くする方法は次の手順で「催芽処理」をします。 ①播種の2~3日前にタネをガーゼなどに包んで一晩水に浸します。 ②軽く水を切り、ポリ袋に入れて冷蔵庫で冷やします。 ③1~2日後種皮が割れて小さな根が見えたら菜園に播種します。 Q8 白菜がトウ立ちしてしまいました。原因は何でしょうか。 低温期に栽培すると花芽が分化してトウ立ちする性質があります。花芽分化を引き起こす低温は3~13℃で約10日間低温にあたると花芽が分化します。 この範囲で気温が低いほど花芽分化は早まり、播種後の日数(苗齢)が進むほど敏感に反応します。北海道における苗の定植時期は5月下旬以降、畑への直接播種は7月下旬以降が安全です。 Q9 毎年タマネギを栽培していますが、球が小さく良質のタマネギが収穫できません。いい方法を教えてください。 タマネギ栽培の大切なポイントは植え付け時期です。北海道の場合は5月15日までには植え付け(3.5葉期苗)、球肥大が始まる7月上旬までには生育を旺盛にすることが大事です。 肥料ではリン酸肥料を不足させないことが大事です。初めてタマネギを栽培する畑には「過リン酸石灰」(リン酸肥料)150~200g/㎡を元肥料のほかに施用します。リン酸の力で低温時期においても生育が良くなります。 Q10 白菜の葉の緑が茶色になるのはどうしてでしょうか。一般的に「縁腐れ」といわれ、石灰の吸収が妨げられて起きる整理障害です。また、「芯腐れ」といって結球した芯の部分が茶色に腐る症状も見られます。 いずれも、石灰欠乏症です。ただ、土壌中に石灰がないために起きることは少なく、むしろ、①土壌水分が足りない。(高温、乾燥)②根が傷んでいる。③チッソ肥料のやり過ぎ等によって引き起こされるケースが多いのです。 トマトやピーマンの尻腐れ症も同じ要因で発生します。 Q11 夏にホウレンソウの種まきをしましたが、ほとんど発芽しませんでした。種が悪いのでしょうか。ホウレンソウの発芽適温は15~20℃です。25℃以上の暑さにあうと発芽しないことがあります。暑い時期の種まきは、まず地温を下げることを心掛けてください。できれば夕方にまき、床にはたっぷり水やりをしてから種をまきます。まいた後の水やりは、種が落ち着く程度とします。その後も発芽までは夕方に水やりするようにします。昼間は遮光ネットや寒冷紗で日陰にしてやることも必要になります。Q12 夏期におけるホウレンソウの発芽率が悪いので、芽出し方法を教えてください。次の手順で行って下さい。水を入れたコップに使用する量の種を入れて、一日中水につける。布で種をふいて、水を切る湿らせた布で種を包み、ポリ袋に入れて、2~3日冷蔵庫に入れる。 種から白い根っこが少し出てきたら植える。Q13 レタスの葉の周辺が茶色に変色しています。病気でしょうか。体内のカルシウムが欠乏したことによるふち腐れ(チップバーン)症状です。原因としては、次のような要因で根からのカルシウム吸収力が低下したときに発生しやすくなります。土壌の過湿や乾燥(特に高温乾燥年に多い)過剰なチッソ肥料低pH(酸性)予防策としては次のとおりです。適量の苦土石灰施用でカルシウム補給と酸性土壌の改良土づくりで土壌の排水性、保湿性を向上適正な施肥量を守る生育期にカルシウム液剤の散布Q14 玉レタスが正常に結球しません。何が原因でしょうか。玉レタスは、生育が進むと内部の葉が立ち上がり結球が始まります。結球時にチッソ肥料が不足していると、小玉のまま十分肥大できない「チャボ玉」になります。逆に過剰な場合は、大玉で内部が充実しない「風船玉」、タテ長の形状に伸び上がる「腰高玉」、結球裏側の葉基部がねじれた「タコ足」などの異常玉が発生する場合があります。結球を正常に行わせるためには、適正な施肥量を守ることが重要です。その他、温度、水分、光などの環境条件の過不足も異常結球などの発生原因になります。