適正な輪作体系のためにも仲間（グループ）を知っておくことが大事です。同じ仲間の野菜は同様の病害虫が発生したり、似かよった花を咲かせる場合が多いです。
　　　　①　ナス科作物
　　　　　　ナス、トマト、馬鈴しょ、ピーマン、ナンバン、シシトウ等々
　　　　②　アブラナ科　
　　　　　　だいこん、はくさい、キャベツ、ブロッコリ－、カリフラワー、かぶ等々
　　　　③　マメ科
　　　　　　えだまめ、さやえんどう、さやいんげん、落花生等々
　　　　④　ユリ科
　　　　　　たまねぎ、ねぎ、アスパラガス、にんにく、にら等々
　　　　⑤　キク科　　　
　　　　　　レタス、ごぼう、しゅんぎく、ふき等々
　　　　⑥　ウリ科　
　　　　　　すいか、きゅうり、メロン、かぼちゃ、ひょうたん等々　
　　　　⑦　セリ科
　　　　　　にんじん、パセリ、セルリー、みつば　等々
　　　　⑧　その他　
　　　　　　バラ科～いちご、イネ科～スイートコーン、あかざ科～ほうれんそう
 

その主な目的は、土壌病害を防ぐためです。土壌病害は一旦発生すると防除はかなり困難で、その病気に弱い品種は栽培できなくなります。そのため、土壌病気に強い品種（台木）に接ぎ木して根から侵入する病気を防ぐという訳です。　　
その他の効果としては作物により生育が旺盛になったり、収穫期間が長くなる場合もあります。
過去の経験から土壌病害が心配ない方、畑が広く輪作が可能な方は「自根苗」で十分です。ただ、初心者の方や狭いスペースで毎年作りたい方、確実に収穫を上げたい方には割高ですが「接ぎ木苗」がお勧めです。　　
ただ、土壌病害といっても全ての土壌病害に効果があるというわけではありません。また、地上部の病気に対して強いとは限らないので通常の防除は必要です。　
接木苗を定植する場合は深植えは避けなければなりません。接木した部分より上のところから根が出ると接木の効果が消えてしまいます。
 

植え付け直前に苗に灌水してすぐ定植します。よく見られる、植えつけて株元に覆土してから上から灌水するやり方は避けてください。土の表面がかたまり、酸素不足になったり、あとで逆に乾燥しやすくなりして、初期生育が不良になります。　　　　
 

①　ほとんどの苗がしおれる場合

②  一部の苗がしおれる場合　

 

マルチ資材はいろんな種類があり、農家の方は目的により使い分けています。
ただ、家庭菜園では黒マルチで十分です。その効果は次のとおりです。
　　○　地温の上昇で生育促進　
　　○　雑草発生抑制（光透さないので）
　　○　養水分の保持（雨水の影響少ない）
　　○　膨軟な土壌保つ（雨が直接当たらない）
　　○　畝が崩れない（雨が直接当たらない）

どんな作物でも同じ品目を作り続けると、ある特有の微量要素の欠乏症が発現したり、防除困難な土壌病気の発生などの障害が出てきます。これらの障害が発生しにくい作物としては水稲、かぼちゃ、ズッキーニ、たまねぎ、にら、スイートコーンなどがあります。
ただ、このような作物でも次年度に残るような病害虫が発生した場合は連作は中止して下さい。また、微量要素の偏りを防ぐためには有機質肥料の施用が望まれます。
 

作物の根の分布は作物の周辺が一番多いので、連作するより、小さな面積でも輪作する方が良いです。特定の微量要素欠乏、病害虫の次年度への持ち越し低減等の効果が期待されます。
 

一斉収穫が可能な品目、収穫を遅らせても影響の少ない品目を主体とし、毎日収穫が必要なキュウリなどは避けましょう。
 

マルチの種類にも大きく影響されます。黒マルチの場合は土壌が乾燥しにくいので水やりの必要性はかなり少なくなります。ただ、マルチを張るタイミングが後々のかん水の必要性に大きく左右します。つまり、土壌水分が十分の時に黒マルチすればかん水の必要性はかなり少なくなりますが、乾燥時にマルチするとその後のかん水が必要になります。
いずれにしても、かん水が必要になったら、株元でなく、数十ｃｍはなれたところからジョウロの先を差し込んでその付近にかん水してください。
 

有機栽培とは、化学合成肥料、化学合成農薬を使用しないで栽培する方法で、遺伝子組み換え種子も使用できません。有機農産物として販売する場合は２年以上継続して以降からとなります。単なる無農薬栽培ではありません。この方法では必要な養分（肥料）は有機物と天然系の成分で与えます。防除は化学農薬に頼らない耕種的防除を徹底し、一部特定農薬として認められた天然防除薬剤を使って栽培します。
 

マルチをする場合、どのような土壌水分の時に実施するか、どんな種類のマルチを選択するかで定植後の水管理に大きな差が出ます。
　　　　

特に大事な点は

　その場合は次のことに留意して下さい。

草マルチの場合、青草のままマルチをすると水分過多のため、接地面での嫌気醗酵、糖分解が進み黒変します。イネ科緑肥などは乾燥させてから利用すればイナワラ、麦ワラと同じようにマルチ素材として利用できます。

タマネギの収穫期は早生種で８月下旬、中晩生種が９月上中旬です。

８月20日前後であれば秋大根も何とか可能です（出来れば8月15日までの播種が望ましい）。9月以降では収穫後40日程度しかありませんので、比較的栽培時期が短いサラダナ、小松菜、ミズナ、ほうれんそう、ラディッシュなどが栽培可能です。

　夕方収穫が望ましいものは、ホウレンソウ、小松菜、タイナなど葉を食用とするものです。これは、昼から夕方にかけて葉で作られた養分が多くなるからです。これらの養分は夕方から夜にかけて根や新しい葉の生育に使われます。その上、夜は作物の呼吸で失われます。よって、ホウレンソウのビタミンＣ含量は夕方が一番多くなっています。

　一方、トマトやキュウリなどの果菜類は昼間に葉で合成された養分が夜にかけ果実に蓄積されるので、朝方の方が多くなります。